キャバクラの接客で欠かせないのが、お酒に関わるサービスです。お客様と楽しくお話をしながら、お酒を注いだりお酒を作ったり…このような機会が多いので、お酒関連のマナーや知識は大切! 

「お酒はふだんはほとんど飲まない」「友達同士でしか飲んだこと無いから、マナーがわからない」という人も、基本的な知識やマナーは覚えておきましょう。

今回はキャバクラ接客が初めてという人にもわかりやすく、キャバクラで扱うお酒の種類や作り方・注ぎ方・注意点等の基礎知識をご紹介していきます。

ビール編

 
ビンビール
「とりあえずビール!」と言われるくらい、乾杯の定番となるお酒です。最近では多くのお店が「生ビール」を提供できるサーバーを用意していますが、お店によっては「瓶ビールのみの取扱」ということもあります。瓶ビールの場合には、キャバ嬢がお客様のグラスにビールをお注ぎします。

瓶ビールの注ぎ方

1)両手で瓶を持ちます。
2)ラベルの部分に手がかからないようにします。
3)傾けた時にラベルが上に来るようにします。
4)グラスに最初にゆっくりと注ぎます。
5)だんだん勢いをつけていきます。
6)泡が出始めたら注ぐスピードを落とします。

※注ぐ時、グラスに瓶の口が当たらないように気をつけましょう。
※注いでもらう場合には、グラスを持ってもOKです。

ビールは「泡の部分」と「液体部分」のバランスが大切!慣れないと泡だらけになってしまいがち。アワアワだらけのビールは見た目にもNGですし、味もよくありません。できれば事前に居酒屋等で「瓶ビールを注ぐ練習」をしておくと安心です。

 

ワイン編

 
ワイン
ブドウから作られたお酒で、ざっくりと分けると「赤」「白」、そしてその中間の「ロゼ」の3色があります。生産地やメーカーがとても幅広く、お店によっても取り扱うワインボトルの種類は違います。

ワインの注ぎ方

1)本来はボトルは片手で持ちますが、力に自信が無い場合には両手で持ってもOKです。
2)ボトルの下の方を持って、中身に手の温度が伝わらないようにします。
3)ラベルが上を向くように持って、グラスに向かってボトルを傾けます。
4)グラスの1/4~1/3くらいまで注げばOKです。満杯には注ぎません。
5)開けてからワインクーラーに入れたボトルを出す時には、その都度ナフキンでボトルを拭きます。

※注いでもらう時には、グラスを持たずにテーブルに置き、軽く手を添えましょう。
※ワインはこぼすとシミになりやすいです。絶対にこぼさないように気をつけましょう。
※温度変化で味が変わりやすいので、「継ぎ足し」はNGです。グラスが空いてから次を注ぐようにします。

ワイングラスは飲む時に「グラスの脚の部分(細い部分)」を持ちます。これはワインに手の温度が伝わって、品質を買えないためのマナー。また脚をがっしりと掴まず、指がキレイに見えるように持つと女性らしく見えますよ。

 

スパークリングワイン・シャンパン編

 
シャンパン
発泡性のワイン(炭酸のようにシュワシュワとしている味のもの)は「スパークリングワイン」と呼びます。またスパークリングワインの中で、フランスのシャンパーニュ地方で作られたもののことだけは「シャンパン」と呼びます。

「ドン・ペリニヨン(ドンペリ)」や「アルマン・ド・ブリニャック」等が有名ですね。「シャンパンの方が高級品の扱いになるので、この点はしっかり覚えておきましょう。

見た目も美しく華やかな印象のシャンパンは、キャバ嬢のバースデイやお祝いごとのためなどに注文されるボトルの代表格です。

シャンパンの注ぎ方

1)本来はボトルは片手で持ちますが、重ければ両手で持ってもOKです。
2)グラスは必ずテーブルに置いてから注ぎます。
3)ラベルが上を向くように傾けます。
4)勢いをつけすぎず、ゆっくりとグラスの側面にあてるように注いでいきます。
5)2~3回に分けて、細グラスなら3/5程度まで注ぎます。

シャンパンは炭酸がとても強いです!ワインと同じような感覚で注ぐとグラスの中が淡だらけになってしまうことも。できるだけゆっくり、静かに注いだ方がキレイに注げますよ。

またグラスにたくさん注ぐと泡が抜けてぬるくなってしまうので、少量ずつをスルリと飲める量をグラスに注ぐにようにしましょう。

 

日本酒編

 
お酒
お米から作られた日本独特のお酒です。焼酎のように割ったりはせず、原則すべてストレート(そのまま)でいただきます。こちらもワイン同様、取り扱う銘柄の幅が広く、甘口から辛口まで味の違いも大きいのが特徴。

最近ではシャンパンのようなシュワシュワとした後口の発泡日本酒(スパークリング日本酒)も人気となっています。

日本酒の注ぎ方

1)グラスやお猪口(おちょこ)は必ず手に持ってもらいます。
2)片手でボトルをしっかり持って、反対の手でボトルの先を添えるようにして傾けます。
3)最初はゆっくりと、中間は少し勢いをつけて注ぎます。
4)最後にスピードを落としてゆっくりと注ぎきります。

通常、アルコール類はあまり温めて飲みませんが、日本酒では「燗」といって徳利に入れた日本酒を温めて供する飲み方もあります。同じお酒でも「常温」「冷」「燗」で味が大きく変わるのも特徴です。

お店によって取扱銘柄やお酒の出し方が違う場合もあるので、事前に確認をしておくと良いでしょう。

 

焼酎編

 
焼酎
芋・米・麦等の穀類やシソ・トマト等の植物からも作れる蒸留酒です。ロック・水割り・お湯割りと、幅広い飲み方ができます。キャバクラでボトルを入れてもらうことの多いお酒でもあります。

「JINRO(真露)」や「鏡月」「いいちこ」等は多くのキャバクラで取り扱っている有名銘柄です。

水割りの作り方

1)グラスに氷を入れてマドラーで5~10回位かき回し、グラスを冷やします。
2)指1本~2本分のお酒を入れます。(薄めなら1本)
3)水をグラスの上から注ぎ、マドラーでかき回します。

お湯割りの作り方

1)グラスに先にお湯を入れておきます。
2)指1本~2本分のお酒を静かに注ぎます。
3)マドラーを1~2周程度ごく軽くかき混ぜて出来上がりです。

なおマドラーでかき混ぜる際には、必ず「反時計回り」になるようにマドラーを動かしましょう。「時計回り」でマドラーを動かすと「早く時間が経てばいいのに(客が早く帰れば良いのに)」という失礼な意味になってしまいます。

 

ウイスキー編

 
ウイスキー
大麦・トウモロコシ等から作られたお酒です。とうもろこしが51%以上使って発酵させたウイスキーは「バーボン」、大麦麦芽等を原料にスコットランドで定める製法で作ったものは「スコッチ(スコッチウイスキー)」と呼ばれます。

ウイスキーを炭酸水で割った飲み物が「ハイボール」で、こちらは居酒屋などでもよく飲まれますね。キャバクラではお客様がボトルを入れて、ストレート・ロック・水割り・炭酸割り(ソーダ割り)でいただくことが多いです。

サントリーの「角瓶(角)」やスコッチの「シーバスリーガル」、バーボンでは「ジャックダニエル」「IWハーパー」等が有名です。

ロックの作り方

1)氷を3~4個グラスに入れて、マドラーでゆっくりと回してグラスを冷やします。
2)指2.5本くらい(グラス1/3~グラス1/4)の高さにまでお酒を注ぎます。
3)マドラーで静かに2~3回ステアして出来上がりです。

炭酸割りの作り方

1)グラスに氷を入れてマドラーでかき回し、グラスを冷やします。
2)指1本~2.5本分のお酒を注ぎます。このときもラベルが上に来るように気をつけましょう。
3)炭酸水(ソーダ水)を2回~3回に分けて静かに注ぎます。
4)炭酸が抜けてしまわないよう、マドラーで2~3回程度ステアして出来上がりです。

氷が溶けすぎてしまうとウイスキーの風味が落ちるので、マドラーを早くかき回しすぎないようにしましょう。

 

ブランデー編

 
ブランデー
ブランデーとは、ブドウ等の果実から作られた蒸留酒のこと。ウイスキ-等と同様にアルコール度数は高めなのですが、基本的にはストレートで飲むお酒となっています。

ただ日本では、ロックや水割りでいただく人も多いです。「ヘネシー(VSOP、XO)」や「レミーマルタン」「カミュ」等が有名な銘柄。熟成年数が長いほど基本的には価値があがり、お店によっては100万円以上という高級ボトルを扱うキャバクラもあります。

ブランデーの注ぎ方

1)ボトルは両手で持ってもOKです。
2)ラベルが見えるように上向きにしてグラスに傾けます。
3)ボトルの口をグラスにつけないように注ぎます。
4)指1本~2本分弱を注げばOKです。

ブランデーは常温で、香りを楽しみながら一杯をゆっくりといただくお酒です。合間のチェイサーとして、炭酸水やジンジャーエール、更にはビールを楽しむというお客様も居ます。お客様のチェイサーの好みも覚えておくと良いですね。

 

カクテル編

 
カクテル
様々なリキュールやジン・ウイスキー等のお酒をベースに、ジュースや炭酸水(ソーダ)等を加えてミックスさせたお酒です。

カシスリキュールにオレンジジュースを加えた「カシスオレンジ」や、ジンをトニックソーダで割った「ジントニック」等は有名ですね。

お店によっては梅酒割等も「カクテル」の範疇に入ります。甘口でジュース感覚の味わいのものも多いため、女性にも人気があります。

カクテルのいただき方

カクテルはシェイクやステアなどの手間がかかるので、テーブルでサーブをすることはほとんどありません。注文したカクテルをいただく場合には、グラスの細い脚の部分を持つようにしましょう。

また果物等の飾りの部分は、マナーとしては食べてもOK。ただキャバ嬢がいただく場合には、飲みもの部分だけをいただいた方が見た目がキレイです。

 

おわりに

キャバクラで扱うお酒の種類や基礎知識はいかがでしたか?「色々あって、急には覚えられない!」と思った時には、とりあえず以下の3つのポイントを意識してみましょう!

・お酒は静かに作る:氷やマドラー等を扱う時、ガチャガチャとうるさく音を立てない
・勢いよく注がない:静かに注いだ方がこぼしたりしにくい
・量で悩んだら「薄め」に:薄めの方が後から作り直しがききます

 

またお酒のことでわからないことがあったら、もちろんスタッフにガンガン質問してもOKですよ!優雅にお酒を作れるキャバ嬢になれれば、お客さんにも好印象を与えられること間違いなし。

ワンランク上のキャバ嬢を目指して、さっそく今日からお酒の扱い方を意識してみましょう!